1. ロコモスライド(市民公開講座用)2. 介護予防体操動画 3. ロコトレマニュアル(コツ・注意点)

4.ロコモコーディネーター活動の展開 5.LC介入の有無によるロコトレ効果検証事業調査結果

ロコモコーディネーター(LC)介入の有無によるロコトレ効果検証事業調査結果

・2023.07.23

SLOCは、2017年10月から2018年3月まで「LC介入の有無によるロコトレ効果の検証事業」を全国3都市で実施しました。

(以下林承弘先生調査資料抜粋)

①ロコモコーディネーター(LC)群は、整形外科クリニック併設のサロンであり、介入前の運動機能がやや低い状態にあったが、普及員や無資格群と比較し個々の身体状況に応じた適切なリスク管理とエビデンスに基づいたロコトレ指導を行うスキルがあるため、より安全に効果を上げられた可能性が示唆された。

②ボランティア群も、立ち上がり時間では有意な改善傾向を認めており、LCと密接に連携しマンパワーを要する体操サロンで果たす役割は重要と考えられた。

③「ロコモ5」に関してはいずれも開始時点で、非ロコモ(5以下)の割合が80%前後と高めであったため、主観的には自覚するほどの大きな支障がなく有意な変化を示さなかったと考えられた。

 

4.ロコモコーディネーター活動の展開

・2020.09.16

第33回日本臨床整形外科学会学術集会どまんなか学会・愛知 シンポジウム6「ロコモ認知度向上に向けた喫緊の課題」

ロコモコーディネーター活動の展開

医療法人二階堂医院 二階堂 元重

SLOC 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会は、ロコモ予防啓発に特化した公益事業を営むNPO法人として、2013年1月JCOAから分離独立する形で発足しました。

SLOC公益活動の三本柱です。

中でも自治体と連携して進めるロコモコーディネーター制度は、本法人の中核事業と言えます。

超高齢社会、少子高齢化とともに生産年齢人口は年々減少し、医療介護費の膨張は国の財源確保の問題を招いており、いまや日本の社会保障制度は危機的状況にあると言えます。

2000年の介護保険法成立以降、要支援要介護認定者は経年的に増加を続けています。

この状況に鑑み、国は2014年から4年をかけて、要支援対象者の介護予防サービス事業を、国の介護保険給付から市町村の介護支援事業に完全移行しました。

このために自治体は、現在全国で約190万人、毎年10万人づつ増え続けていると言われる要支援対象者への対応に迫られることになったわけです。

そこで当初「健康な高齢者」との間に、「二次予防事業対象者」すなわち「要支援予備群枠」として一定数を認定し、要支援移行の縮減を目的として、地域サロンにおいて重点的に運動器向上プログラムを開始しました。

現在では対象が、健康な高齢者から要支援にまで枠が拡大され、新たに「介護予防・日常生活支援総合事業」として幅広くかつ多目的なサービスが提供されるようになっています。

各自治体では介護予防サービースの円滑な運営を目的に、地域の民生委員や老人会役員などボランティアを対象に、独自に「指導員・普及員」を養成、資格を付与した上で、地域サロンで直接体操等の指導補助にあたってもらっていますが、利用者の急増とともに、サロンの数も増え、全国的にボランティアのマンパワー不足に迫られています。

さらにはそのトレーニング方法についても画一的なものではなく、全てが医学的根拠に基づいているとはいえません。

SLOCの進めるロコモコーディネーター制度は、地域包括ケアシステムの中で、今後ますます煩雑となる介護予防事業において、自治体と連携し、ボランティアに対し、安全かつエビデンスに基づいたロコトレを指導、養成ならびに派遣、調整(コーディネート)を担うことを主旨とした資格制度です。

2014以降年現在まで、年3回、全国で計16回の資格取得研修会が開催され、これまで1,968名の資格者が誕生しています。

受講資格はご覧の医療介護系有資格者に限定されていて、受講料は1万円。

1単位50分、計6単位の研修講演受講修了後、試験を実施。

合格者には認定証を授与、名簿管理はSLOCで行い、資格の継続は5年間としています。

男女比はほぼ均等です。

職種内訳では約半数をPTが占めています。

約7割が病院・診療所所属で、介護施設17%、行政関連施設14%となっています。

今年の2月、ロコモコーディネーターとしてのこれまでの活動内容について、その発表等を通じ、親睦を深め、本活動のさらなる拡大発展を図ることを目的として、「第1回ロコモコーディネーター全国大会」を東京で開催、100名を超える参加者を集めました。

特に優秀な活動について表彰する「ストップ・ザ・ロコモ!アワード」を企画しましたところ、ごらんの29施設からそれぞれが取組むユニークな活動内容について応募がありました。

施設の内訳は、診療所16施設、病院9施設、地域包括支援センター、介護サービス事業所、通所介護事業所、特別養護老人ホームが各々1施設でした。

自治体が関わる事業では、介護予防教室6、うち施設内1・サロン5、ボランティア養成講座 2、市民公開講座 2、ロコトレ効果の検証評価事業 1でした。

一方、施設固有の事業では、介護予防教室 20、うち施設内15・サロン5、子どもロコモ予防教室 3、定期的ロコモ検診 2、ロコモ予防外来開設 1、特定健診介入 1、労働者健康管理事業介入 1、医療介護従事者講習会講師 1、冊子・DVD制作 2 でした。

現在地域サロンでは、全ての高齢者を対象として、運動器機能向上プログラムだけでなく、二次骨折予防を目的とした骨粗鬆症リエゾン、認知症ケア、栄養改善、口腔ケアなど多岐にわたった介護予防サービスが提供されています。

そこでは、地域包括ケアシステムが求める「地域内完結型医療介護」の在り方として、多職種連携による水平分業のスタイルで、それぞれが業務を展開しています。

さらにその形態も、従来のロコモ度テスト、ロコトレ指導、市民公開講座など「参加者受動型プログラム」から、参加者が前向きな気持ちで創作した企画・アイデアをもとに実践する「参加者能動型プログラム」へ、すなわち「セルフメディケーション」の普及を意図として、健常者を含め全ての高齢者を対象とした「社会参加提供の場」としてのスタンスを確立しつつあります。

その中においてもロコモコーディネーターは、高齢者の個別的支援などに携わる医療介護専門職として、自治体とサロンの間に入り、実務調整も行う、いわば教室運営のリーダー的役割を担っています。

スライドは、平成26年から4年間、浜松市のロコモ予防事業・年度別実績です。

市内のサロン数は当初の23施設から354施設にまで増え、サロン参加者数は平成29年9月現在8,268名となっています。

サロンで行われる介護予防教室の運営に、累計1,527名のボランティア(ロコモ普及員)、そして浜松市在住のロコモコーディネーター179名中71名が関わっているということになります。

まとめです。

介護予防教室は、院内、院外を問わず、地域での高齢者の運動のみならず、社会参加提供のサロンとして年々参加者が増加しており、その傾向として、多職種連携、参加者能動型 / セルフメディケーションの普及を意図したプログラム運営を特徴としています。

本法人が国民全年齢層にわたり、ロコモ認知度向上を目的として健康づくりへの意識、行動変容を呼びかけていく上では、介護予防教室のみならず、子どもロコモ予防教室への介入、特定健診さらには産業医事業の場でのロコモ検診、ロコトレ介入の試みは今後の方向として大変興味深いと考えています。

その中でロコモコーディネーターが運動・生活習慣支援のみならず、ロコモ認知度向上の使者として果たす役割は 極めて大きいと考えます。

 

 

1. ロコモスライド(市民公開講座用)

・2019.08.20

「ロコモスライド初級編 / 発表者ノート解説入り 」を市民公開講座用として29枚PPTにまとめました。

「ロコモ普及員養成講座」含め、一般市民を対象とした講演用としてご自由にお使いください。

 

*ロコモスライド29枚(市民公開講座用)

https://www.data-box.jp/pdir/8afe367985234642bb66e2cbfd746765

2. 介護予防体操動画

SLOC宮田重樹先生監修/大阪府富田林市制作のマニュアルムービーです。
利用者個々の状態に合わせご使用ください。

*なお効果的に訓練を行うために

・「片脚立ち」 脚を上げた方の手で体を支える。
・「スクワット」膝がつま先より前に出ないようにするため、お尻を後ろに引くイメージをもつ。

以上周知徹底をお願い致します。

A 重度(運動強度 弱)ダウンロードはこちら(.WMV形式)

B 中度(運動強度 中)ダウンロードはこちら(.WMV形式)

C 軽度(運動強度 強)ダウンロードはこちら(.WMV形式)

腰痛体操ダウンロードはこちら(.WMV形式)

膝痛体操ダウンロードはこちら(.WMV形式)

3. ロコトレマニュアル(コツ・注意点)宮田 重樹 2017.05.18

立位・座位で行うロコトレ

高齢者の体の問題点は、筋力低下、バランス力低下、運動器疾患と体が固いこと。

高齢者の体の固さの要因は、体幹関節の動きが悪くなっていること。そのために動きにくくなる。

ロコトレの前に、準備運動をして体幹の関節の動きを良くしておくと効果が上がりやすい。

1.柔軟体操


①深呼吸

:胸郭運動改善、胸椎椎間関節可動域改善効果

腕を前でクロスさせ、胸を小さくして息を吐ききる。

胸を大きく広げながら腕を出来るだけ上に上げて同時に肋骨と肩甲骨を上げながら息を吸う。
胸を反りながら顔は上を向かせる。
ゆっくり息を吐きながら腕を下ろしていく。

背中を丸めながら腕を下ろして腕を前でクロスさせて胸を小さくして息を吐ききる
一呼吸10秒かける。5-6回行う。


②のびのび体操

:肩甲胸郭関節、胸肋椎関節の可動域改善、広背筋のストレッチ効果

立位で両手の指を重ねて人差し指だけ伸ばし、息を吐きながらゆっくりと肘を伸ばし切って指先をまっすぐ上に伸ばして肩甲骨と肋骨を挙上する。肋骨と骨盤の間を伸ばす(上手にできるとウエストにくびれができる)。

3秒程度伸ばしたら休憩する、これを3-5回繰り返す。

座位で行う場合、椅子に浅く座ってもたれ、下肢を伸ばした体勢から行う。

*肘は伸ばし切ること、腕の位置は耳のやや後方、人差し指の向きと体の軸が一致すること。
*肩甲骨の動きが悪くて腕を真っ直ぐ頭上に上げられない場合、肘を曲げて頭上に上げようとせずに
肘を伸ばして上げることができる肩関節屈曲に留めて、その位置で指先方向に腕を伸ばす。
*背中が曲がっている人には、胸を広げて鎖骨を頭方向に上げるように指示する。


③立位体前屈

:ハムストリングストレッチ効果、股関節機能改善効果

背筋を伸ばしたままお尻を後に引き、膝を伸ばしたまま股関節を屈曲してお辞儀を行う。
ハムストリングが伸びていることを確認。この状態からゆっくりと背中を曲げて、床に手を付ける。 体が固くて床に手がつかない人は膝を曲げて掌を床に付け、この状態から膝をゆっくり曲げて伸ばすを繰り返す。

5-10回行う。


④体回旋:椎間関節可動域改善効果

肩幅に足を広げ、両手を前に伸ばす。
予め、右踵は浮かしておき、左(右)脚を軸に骨盤を水平に回旋し、骨盤、背中、肩、指先の順に回旋する。左(右)手の小指を目で追う。
腰を回しにくい場合、母指を骨盤の後ろに当てて押す。
骨盤が水平に回旋しているか確認する
左右交互に5-6回行う。
*逆脚が突っ張っているとできない、この時膝を少し曲げさせ力を抜かせると回旋しやすい
*逆脚の突っ張りが改善しない場合、予めつま先だけを付けて軸足に重心を乗せてから回旋を始める
*左右下肢への重心の切り返しがスムースにできるようになると上手に左右の回旋ができる


⑤側屈

肩幅に足を広げ、伸ばす側の手を上げて反対の手は骨盤の横に当てる。

伸ばす反対側の足は、つま先立ち状態にする。
伸ばす側に骨盤を押して水平移動させ、伸ばす側の脚と体幹で ”く”の字になるようにする。

さらに腕を倒して体幹を側屈させる。


⑥背中を反らす

親指を後ろにして手を骨盤上端に当て、膝を少し曲げながら骨盤を前に押しながら背中を反る。


⑦下肢(膝股)屈伸:股関節膝関節可動域改善効果

座位で行う場合、椅子に浅く座ってもたれ、下肢を伸ばした状態から始める。

膝と股関節を一緒に自力でゆっくり反動を使わず、曲げていく。
膝に手が届いたら、動かそうとしながら手で引き寄せて大腿を胸に寄せる。

自力でゆっくり伸ばし切る。
3-5回行ったら休憩する、これを2-4回行う。
*膝が外に逃げないように注意。


⑧座位前屈

座位、手で下腿をさすりながら足首に到達するまで前屈する。
さらに前屈し、足背部をさするながら、つま先にタッチする。
爪切りや靴下着脱に有効。


⑨立位下肢ふり

膝を曲げて、股関節を屈曲90°から伸展20°の範囲でゆっくり屈伸する。この時仙腸関節が動く。

左右5-6回ずつ行う

不安定な状況にならないように、テーブルか壁に手をついて行う

2.ロコトレ(日本整形外科学会)

標準の運動が困難な人には、そんな人でもできるように難易度の低い方法を提案し、

標準の運動が簡単すぎるという人には、そんな人でも答えるという難易度の高い方法を提案する。

色々な運動能力の人が来られるが、それぞれの人の能力にあった運動を提案する。

選択は、まずやってみてしんどいようならレベルを下げ、楽ならレベルを上げるということをする。


(1)片脚立ち

:静的バランス訓練

姿勢正し、視線は、真っ直ぐ前方に向け一定にする

手を腰に当て片脚で立つ。60秒を目標にして、足がついたらまた足を上げて再開する。

軸足の上に体の重心をのせることがコツ。

*両足で立っている時、体の重心位置は両足の間にある。体の重心位置を立脚足の上に移してから
片足を上げる。

ふらつく場合は、腕を横に挙げてバランスをとる。

腕を横に挙げてもできない場合は壁またはテーブルに指1本ついてする。

指1本でもふらつく場合は、手をついてする。

*背中を反ったり、曲げたりせず、姿勢を真っ直ぐにして行うように指示。

*足指が曲がっている高齢者に対して、裸足になってもらい足指を床の上で伸ばしてあげる

*上げた足は軸足につかないようにする

*足が何回ついてもOK。練習を重ねて着く回数が減れば改善している証。


(2)スクワット

:大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、腸腰筋の筋力増強効果

肩幅より少し広めに足を広げて立つ。つま先は0-30°(本人の好みで)開く。

膝がつま先より前に出ないように、また膝が足の人差し指の方向に向くように注意して、背すじを伸ばしたままでお尻を引くようにして大腿が床と水平になるまで身体をしずめる。

5-10回繰り返す。

筋力が乏しくてそこまでしずめることができない場合、膝関節45°以上曲がれば良しとする。

*初めて行う場合、どこまで出来るかわからないのでサポートする者が両手を持って補助すると安全。

しずみこんだ時、肩が膝より前に出ている方が容易で、肩の位置を大腿中央部にすると負荷は高くなる。

不安定な人は、手を大腿の上に置いて行うと安定する

★普通のスクワットを行うことが危ない場合、椅子に座った状態から始める

背すじを伸ばして手を股関節の前に置く。

手を膝の方に滑らせながら股関節を曲げて座礼するとお尻が少し浮き上がるので、その時に立ち上がる。立ち上がった時には背すじを伸ばす。

背すじを伸ばしたままお尻を後ろに引きながらゆっくりと座る。この時も手は大腿の上を滑らせる。
5-10回を2-4セット行う。
*出来るようになったら、椅子に触れたら直ぐに立ち上がるように指示する

さらにできるようになったら、2-3秒触れた状態で静止するように指示する。

*脚力が乏しい人は、テーブルに手をついて(手を持ってあげて)スクワットする。
【指導すべき注意点と対処方法】

・背すじを伸ばしたまましずむ。下を見る人が多いので視線を前方に向けるよう指示

・お尻を引いて膝がつま先より前に出ない。椅子を置いてお尻を引きながら座らせる

・やり方によって難易度を変えることができる。個々の能力をみてふさわしい動きを指示する

・膝痛のある場合は膝関節がぐらつくと痛むので、テーブルに手をついて(手を持ってあげて)、膝がぐらつかないように意識してスクワットする

・座る時、ドスンと座らないよう指示する。


(3)ヒールレイズ(つま先立ち)

姿勢正し、視線は、真っ直ぐ前方に向け一定にする

足幅狭めて両踵が軽くあたるように立ち、踵を上げきって、ゆっくり下ろす。

背筋を伸ばして、天に引っ張られるイメージで踵を上げて2-3秒止める。

10-20回を2-3セット行う。

*不安定な人は、テーブルや壁に指または手をついて行う

【指導すべき注意点と対処方法】

・体の軸がぶれないように、頭のてっぺんに紐がついていて、その紐を真上に引っ張られているようなイメージで真上に上がっていく

・膝痛のある場合は膝関節がぐらつくと痛むので、テーブルに手をついて(手を持ってあげて)、

膝がぐらつかないように意識してヒールレイズする

・踵同士が離れないようにつけておく。 予め両踵をつけるように指示する。

・体の軸が前方や後方にずれないように注意。 サポートする者が正しい方向を誘導する

(4)フロントランジ

姿勢正し、視線は、真っ直ぐ前方に向け一定にする

腰に両手をついて両脚で立つ。後ろ足で踏み出して前脚をゆっくり前方に踏み出す。

一歩踏み出した時、上半身前に傾かないように注意する。

太腿が水平になるくらいまで腰を深く下げる。背筋を伸ばして真っ直ぐ重心を下げる。

前脚の膝がつま先より出ないように、後ろ脚の膝を床に近づけるようにしずみこむ。

重心位置は、両足の間。

身体を上げて、踏み出した脚を元に戻す。

足を前後に開いた状態でのスクワット

5-10回を2-3セット行う。

【指導すべき注意点と対処方法】

・大腿を水平になるまでしずみこめない場合、できる範囲で良い。練習を重ね少しずつ深く

しずみこめるようにする

・バランスが上手くとれずふらつく場合は、テーブルや壁に指をついて行う

前方に移動する場合、指も滑らせる。指1本でもふらつく場合、指の本数を増やす。

・歩幅を広げるほど難易度が上がる。

・脚力のある場合、しずみこみを3-5回繰り返して元に戻る

3.追加トレーニング

ロコトレだけでは物足りない感じがしたら、以下の運動を追加する

時間と相談しながら、2-4の運動を選択する。できるようになったら別の運動を選択する。


(1)お腹引っ込め腹筋

腕を下垂して親指を外に開きながら脇をしめ背中の肩甲骨を引き寄せ、お腹を引っ込めながら息を吐ききる。その後、“ふっふっふっ”と言いながらさらに息を吐く。

5-6回を2-4セット行う。
*臍の下に手を置き、お腹が引っ込んで腹横筋が固くなっているか確認する
*腕を下垂して親指を外に開きながら脇をしめ背中の肩甲骨を引き寄せることによって、広背筋、菱形筋、大胸筋も鍛えることができる

★腰痛予防のために腹筋が重要である。その目的は腹圧を高めることなので、お腹を引っ込める

腹横筋を鍛えることが肝要。


(2)肛門締め

立位で大殿筋と大腿内転筋を収縮させて肛門を締める。

その時太ももを寄せる。

5-10秒静止する。
*骨盤底筋トレーニングとして有効。おもらし予防に効果的。


(3)座位腸腰筋筋トレ

座って背すじを伸ばし、片膝を持ち上げる。
できるようになれば、両手で大腿を上から押させて抵抗負荷をかけて行う。
この時、上体が後に倒れていかないように注意。


(4)しゃがみこみ立ち上がり

右足を後に引き、背すじをまっすぐにしたままお尻を下ろし、右膝を床に着き、背すじをまっすぐ伸ばしたまま立ち上がる。

次に、しゃがんで続いてクラウチングスタート態勢になり、戻り立ち上がる。

下のものをとる作業がしやすくなる
左右交互に繰り返す。5-10回


(5)重心移動(前後左右)

:動的バランス訓練

姿勢正し、足幅は肩幅に合わせ、視線は真っ直ぐ前方に向け一定にする

片足を前方に出し、出した足の上に同時に重心を移動していく。

つま先は、まっすぐ進行方向に向ける。

膝は、つま先と同じ方向にし、一歩出す時に膝がぶれないように注意。

後方移動の場合、一歩後ろに出した足に重心をのせる。視線は床の上。上を向くと後方にこけや

すい。

左右移動の場合、一歩横に出した足に重心をのせる。首を出した足と反対側に傾けると安定する。

*高齢者は歩行時に一歩足を前に出しても重心が後ろ足に残っているため歩行速度が遅い。

重心を素早く前方の足に移動する訓練で歩行速度を改善できる
*歩行速度が遅い高齢者に多いミスは、一歩足を出すが重心は後ろ足のままで、前に脚が接地してからおもむろに重心を前方に移動していく。

*膝痛の方の中には、一歩出した時につま先と膝の向きが一致していない方がおられる。

一致していないことを教えて上げ修正すると歩行時痛が改善する


(6)相撲の仕切り

椅子に座った状態から背すじを伸ばしたまま前傾し、肘を膝の上につける。

お尻を浮かせながら、肘を膝から離して両手を前に出し、両手の小指側を床につける。

ゆっくりとお尻を椅子に戻す。

余裕のある人は椅子を利用せず、腰を大腿が水平になるまで落として肘を膝の上につけてから

行う。

背中が丸まらないように注意。


(7)四股踏み:動的バランス訓練

両足を肩幅より広げて立つ(広げるほど難易度が増す)。

片脚を上げて、支持側の足の上に重心をのせてバランスをとり1秒静止する。
お尻を後ろに引きながら腰を下ろして腰を低くするほど難易度が増す。

これを左右繰り返して、5-10回行う。
*左右の足の上に重心を素早く移動させることで、動作時にバランスをとる練習となる


(8)つま先前傾

背すじを伸ばして 踵はつけたまま、体を前傾させてつま先に重心を移す。

スキージャンプ飛行姿勢をとる。

5-10秒静止を3-5回繰り返す。

*高齢者の足指は、浮き上がっているか曲がっていることが多く、立位時や歩行時に足指の腹に

足圧がかかっていない

この動作によって足指の腹で踏ん張る練習をする。


(9)片脚立ち上がり

椅子に座り、軸足を体幹中央に置き、膝とつま先を合わせ、前傾して片脚で立ち上がる。

ふらつく場合は手をついて行う。 数回繰り返す。


(10)筋持久力トレーニング

①足踏み

その場で、足踏みをする。足の高さ、ピッチは自分のレベルに合す。

足を高くしたり、ピッチを速めたりすると難易度が増す。

持久力をつけるためには、5分以上楽なペースで行う。

疲れたらペースを落としてでも5分間動き続けることが目的。

②踏み台昇降

10cm、20cm、30cmの踏み台を上り下りする。
5分以上できるペースで行う。
*つま先と膝の向きが一致しているか確認する。
*台を上る時降りる時に、膝がふらついていないか確認する
階段昇降で膝痛を訴える場合、術者が両手で痛む膝をはさんでぐらつかないようにすると痛みが軽減する
*台を降りる時、上に残っている脚が下の足が接地するまで力が入っているか確認する
上に残っている脚で最後まで踏ん張れず、重力で落下するため膝に衝撃が生じて痛む。

③高速足踏み

俊敏性を鍛えるために、できるだけ速い足踏み5秒、ゆっくり5秒を繰り返す。
足は少し上げるだけでよい。

④高速腕ふり

できるだけ早く腕振りを5秒間続け、ゆっくり振ってまた早く振るを繰り返す。3-5回。

4.認知症予防に役立つ運動

2つのことを同時に行うことをデュアルタスク、二重課題という。

頭だけを使った脳トレより、運動+頭を同時に使うと、脳の萎縮を防ぐことができ、さらに記憶力が改善する。

2品以上の料理を同時進行でつくる、テレビを見ながら洗濯物を畳む、麻雀をしながら雑談するなどもそれに相当する。

・ロコトレ教室でできるデュアルタスク

①足踏みをしながらしりとりをする

②足踏みをしながら、動物の名前(47都道府県の名前、各国の名前、野菜の名前、果物の名前、

オリンピックメダリストの名前、総理大臣の名前、戦国武将の名前などなど)を言う

③足踏みをしながら 言われた数字を3で割り、

4÷3=1…1 5÷3=1…2 6÷3=2

余りが1の場合右手を上げる、余りが2の場合左手を上げる、余りがなしの場合両手を上げる

と説明し、

4から9までの数字を言って余りを答えてもらい、あまりの数字に合わせて手を上げてもらう。

“これから始めます”と言って 4から順に数字を言い、それに合わせて手を上げてもらう。

途中から連続で数字を言わず、飛ばしていく。

*3の割り算が慣れてしまったら、4で割る。この場合、

余りが1の場合右手を上げる、余りが2の場合左手を上げる、余りが3の場合両手を上げる、

余りがなしの場合手を上げない とする。

ロコトレ指導時の注意点

「片脚立ち」「スクワット」を指導する上で、必ず守っていただきたいポイントを再掲します。周知徹底をお願いします。

(目的)
ロコモを予防するために、私たちはたった二つの簡単なトレーニング法「ロコトレ」を勧めています。
膝や腰への負担が軽く、どこででもできる極めてシンプルで安全、かつ医学的根拠にもとづいた方法。
それがバランス能力を維持・確保するための「片脚立ち」と体幹や脚の筋力を強化するための「スクワット」です。

1.片脚立ち

*安全のため片手を壁や机について行いましょう。ただし通常は手をつかないで行います。

脚は5センチ程度上げるだけです。足腰の筋力だけでなく、軸足の大腿骨の骨密度も増やすことが医学的に証明されています。
左右1分間づつ、1日3回行います。

2.スクワット
① つま先を外に30度開き、膝の向きと足の向きを一致させます。
② 腰を後ろに引くようにして、膝がつま先より前に出ないことが大切です。

*①、②により膝への負担をやわらげます。

難しければ危険を避けるためイスに座り、机に両手をついて立ち座りをくり返すだけでも構いません。
深呼吸するペースで5~6回、1日3回行います。

3.ロコトレの実際

以上ご確認の上再度「ロコトレ動画」をご覧ください。
「ロコトレ」「ロコトレプラス(ヒールレイズ+フロントランジ)」です。

*QRコード(ロコトレ・ロコトレプラス/藤野整形外科医院)

更新日2013/07/23