「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」をストップ NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会 SLOC(エスロック)

関連文書

1. 姿勢と子どもロコモ ー 子どもの体に異変あり ー 2. 注意!子どものロコモ    3. ゴールデンエイジ 4. 子どもの足の変形について 5. ズームアップ 子どもロコモと生活習慣ー運動器検診のめざすもの 6. 子どもの体操・正しい姿勢パンフレット 7. 子どもロコモと運動器検診について 8. 防ごう!子どものロコモティブ・シンドローム

 

8. 防ごう!子どものロコモティブ・シンドローム

・2017.09.23

林承弘先生監修 チャイルド本社「Pot」2017年9月号 p82-87

*PDFはこちら

7. 子どもロコモと運動器検診について

                                                              林 承弘ほか 日整会誌 vol.91 no.5 :338-344 May 2017

シンポジウム「学校健診における運動器検診の現状と今後の課題」の中で、カラー図表入りで掲載されています。

日整会誌Vol.91 No.5 May 2017

 

6. 子どもの体操・正しい姿勢パンフレット

                         京都整形外科医会 たちいり整形外科
                         立入克敏

・2016/05/30

京都整形外科医会が府下の公立全学校に配布したパンフレット(先の日整会でも紹介しました)が好評で、私立学校からも使わせて欲しいとの要望がきております。PowerPointで作成しておりますので、一部改変して使うこともできます。少しでも子どもたちの役に立てればと思っています。ご参考にしていただければと思いますので、お送りいたします。

1.からだの柔軟性やバランス能力を改善するために

〜運動不足によるからだの柔軟性やバランス能力の低下を改善するために、日頃から運動の機会を増やすようにしましょう〜

PPT2枚  ダウンロード後一旦「保存」の上ご使用ください。

2.姿勢のチェックと良い姿勢のつくり方

PPT2枚  ダウンロード後一旦「保存」の上ご使用ください。

5. ズームアップ
子どもロコモと生活習慣ー運動器検診のめざすもの/抜粋

林 承弘

『臨床栄養』2016年4月号
Vol.128 No.4 P460-464
医歯薬出版株式会社 平成28年4月1日発行

【序文】

近年、スマホ・ゲームの普及や外遊びの減少による運動不足等により、姿勢が悪くなり、運動器機能が低下して、しゃがめない、腕が真っ直ぐ挙がらない、体前屈できない、すぐ骨折するなど、子どもの身体に異変が生じています。このように体がかたい・バランスが悪いなど、運動器機能が低下した状態を「運動器機能不全」または「子どもロコモ」と呼んでいます。
「子どもロコモ」の背景には、体をほとんど動かさなくても日常生活が送れてしまう、超便利社会があります。また食育において、何でも手軽に食べられる一方、好きなものしか食べない、偏った食生活に陥り易いという現状も無視できません。また朝食の不摂取や1人だけの孤食等も問題になっています。
「子どもロコモ」の原因は、まさにこのような生活習慣そのものにある場合が多く、現在問題がなくても、骨折等のケガを惹き起こすことも少なくありません。
したがってH28年度から導入される学校運動器検診では、子どもの生活習慣に直接かかわる家庭において、まずは保護者に運動器の事前チェックをしっかり行ってもらうことが大前提になります。
運動器検診のめざすものは、学校や医療機関によって運動器の病気を見つけるだけでなく、家庭および社会が一体となって「子どもロコモ」に対処し、生活習慣を見直すことにあるといえます。

【子どもの体の異変について】

埼玉県で学校における運動器検診モデル事業を始めて以来、学校現場から、雑巾がけで歯を折ってしまう、転ぶときに手が出ない、組体操の下段で支えられない、朝礼で立っていられない等々、子どもの体の異変に関する、様々な事例が寄せられております。実際、学校で運動器検診を実施してみると、体のかたさやバランスの悪さなど、子どもの体の異変を裏付けるデータが得られました。幼稚園~中学まで学年全体(平成22~25年 計1343名)について、以下の基本動作4項目について、熟練した検診医によるチェックが行われた結果、子どもの運動器機能が低下していることがわかりました。

チェックする基本動作4項目は以下のとおりです。

① 片脚立ちがふらつかず5秒以上できるか
② しゃがみ込みできるか(途中でとまらず、踵があがらず、後ろへ転倒せず)
③ 両腕が垂直拳上(耳の後ろまで)できるか
④ 体前屈で、膝を伸ばしたまま指が楽に床につくか

この4項目で問題があるものは、

①片脚立ち14.7%
②しゃがみ込み15.3%
③上肢垂直拳上7.1%
④体前屈23.3%

であり、これら4項目のうち一つでも問題ある児童生徒は、実に41.6%でした(図1)。
このように運動器機能が低下し、骨折等のケガを起こし易い「運動器機能不全」の状態に対して、警鐘を鳴らすため、「子どもロコモ」と名付けました。

【子どもの骨折率の増加について】

独立行政法人日本スポーツ振興センター統計によると、子ども全体の骨折率は、40年間で2.5倍に増加しました。
中・高校の骨折率は、2000年頃からさらに増え続け、2011年には、1970年の3倍以上になりました。一方、小学校は横ばい、保育園・幼稚園は減少傾向にあります(図2)。
これは外遊び場が減少し、携帯用ゲーム器が低年齢層にも普及してきた時期に重なります。こうした背景から子どもたちは、小さなケガを経験する機会もなくなり、十分な危険回避能力が身につかないまま成長してしまいます。その結果、中学になっていきなり専門的なスポーツ活動を始めるため、骨折などの大けがにつながってしまうものと推測されます。

【学校運動器検診のめざすもの】

平成28年度から、学校運動器検診が始まります。そのめざすものは、運動器疾患の早期発見・対処に加えて、「子どもロコモ」の状態をチェックし、これを改善することで、ケガの予防さらには将来のロコモ予防に備えることにあります。
したがって、家庭および学校における校医、養護教諭、体育教諭、栄養士さらには整形外科医が相互に連携をとり、よい生活習慣の根幹をなす「よい姿勢で、よく食べ、よく運動しよう!」といった環境作りをしっかり行っていくことが重要です。

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*「子どもロコモ」への対処は、当HPの【健康な体作りのための子ども処方箋】をご参照ください。

臨床栄養・図表抜粋PPTはこちら

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4. 子どもの足の変形について

文責 二階堂 元重

・2016/02/04

近年、時代・ライフスタイルの変化に伴って子どもに急増する「浮き指」や「外反母趾」は、不安定なかかと重心の「2点歩行」の原因となっている。その結果、バランスを取るために膝を曲げ、腰が落ち、猫背で歩くようになる。さらに地面からの衝撃を足の裏でしっかりと吸収することができず、その結果腰や膝に大きな負担がかかり、腰痛・膝関節痛の誘因にもなっている。

【原因】
1)歩数の減少
*小学生の歩数  ・1979年 27,000歩/日(文科省資料)
・2011年 11,000歩/日(東京都調査)

外遊びをしない。特に「鬼ごっこ」のように、周囲の予想外の動きに反応して止まったり、駆け出したりすることは、子どもの足の発達に役立っていた。

2)乳幼児期に「つかまり立ち」や「つたい歩き」をしない。
3)「雑巾がけ」のように足の指を使う運動をしない。
4)室内でも靴下をはいて過ごすなど、裸足になり足指を解放する機会が少ない。
5)小、中学生が窮屈でヒールの高い靴を好んで履いている。

1)浮き指
足の指先が床につかない「浮き指」がある児童が急増している。
・平成02年:16.3%(大田区小学校調査)
・平成23年:81.7%(品川区立戸越小学校調査)

かかと重心になり、バランスを取るために膝を曲げ、腰が落ち、猫背で歩く子供たちは、まるでゴリラのようにも見えると言われている。

浮き指はさらに「外反母趾」「巻き爪」の原因にもなっている。

2)外反母趾
中学生の30°以上の外反母趾の割合は7%。
予備群も含めると女子は全体の6割で10年前の2倍以上、男子は全体の5割で10年前の4倍。
(埼玉県立小児医療センター2005年8月)

3)内反小趾
幼児の90%に発症を確認。(新潟県立看護大学の調査)

4)開帳足
パンプスなどの長期連用により足の「横アーチ」が圧迫され続け、崩れると「開帳足」となる。
「開帳足」の結果「外反母趾」が引き起こされると考えられている。
足底筋力の弱い人に起きやすい傾向がある。(タオルギャザー・足指ジャンケン・ヒールレイズ)

5)(外反)扁平足

a)幼児期扁平足
全児童の24.4%(平成23年品川区立戸越小学校調査)
荷重時土ふまずがなくなっているが、非荷重時は土ふまずができていて。足の痛みを伴うことはない。
幼児期扁平足では関節周囲の靭帯がゆるみ、かかとが外を向いてアーチがつぶれるようになっている。
ほとんどの場合、成長に伴って自然にアーチが形成されるので、裸足の生活を心掛け、足の指を使うことで足の裏の筋肉を鍛える。(つま先立ち・足の外側縁で歩く練習・鼻緒のある履物・足指ジャンケン)

のびのび体操(立位編)はこちら

b) 成人期扁平足
成人期扁平足の多くは「浮き指」「外反母趾」「外脛骨」による足底の機能、発達障害や後脛骨筋腱変性断裂による足底縦アーチの減少に伴い発生する。足指の筋肉はアーチを支えるのに重要で、これを鍛えるためには裸足での生活を心掛け、足指を使うようにする。(タオルギャザー・足指ジャンケン・アキレス腱ストッレッチ)アーチの低下が強い場合はアーチサポート付きの足底板装着が必要となる。

 

 

3. ゴールデンエイジ GOLDEN AGE

【ゴールデンエイジ:人間の能力が著しく成長する時期の指標】

(2015/11/19 本田忠先生提供)

1)「プレゴールデンエイジ」 (03歳〜08歳)
*運動における多種多様の動作を経験し、基本的な運動動作を身につけておくべ時期。
自分の体の制限が難しい時期でもあり、右足を出そうとしても左足が出てしまうなどこの時期に様々な遊び・スポーツを経験させることが非常に効果的である。

2)「ゴールデンエイジ」 (08歳〜11歳)
*自分が思ったように体を動かせるようになる時期。
「プレゴールデンエイジ」の時期に基本的な動作を身につけておくと、動きを見ただけですぐ理解できるなど即技術を習得できるようになる。今までできなかったことが突然出来るようになったりなど技術・センス、共に大きく成長が見込める時期。

3)「ポストゴールデンエイジ」(11歳〜14歳)
*現状の技術レベルを維持しながら、反復練習等を入れ、基本動作の質を高めていく時期。
この時期になると既に神経系統は9割型形成されている。運動神経の成長が止まることで以前とは違い短期間で急成長することが難しくなる。「考えながら練習する」など今までよりも質の高いトレーニングに取り組む必要がある。

人間の体には一生に一度だけ運動神経を伸ばすのに適した時期がある。それが幼児期・学童期に訪れる「ゴールデンエイジ」である。この時期は、脳や神経系の機能が飛躍的に発達するので、あらゆる運動動作を極めて短期間に覚えることができる。
上に記した3つの時期に見合った練習方法を考える必要がある。この時期に適切な運動を行うことがその後の運動能力に大きく関係すると考えられる。

( 2015/12/22 菅栄一先生提供)

幼児期における身体活動の課題と運動の意義(文科省)

( 2015/12/22 久保谷 康夫先生提供)

2. 注意!子どものロコモ              2015/10

毎日新聞「月刊ニュースがわかる」10月号より

*画像をクリックしてください。PDFでご覧いただけます。

http://www.mainichi.co.jp/publish/magazine.html#wakaru

1. 姿勢と子どもロコモ ー 子どもの体に異変あり ー

(ことしの子ども最前線 特集論文2015年08月06日発刊)
出典:『子ども白書 2015』p61-65
日本子どもを守る会編 本の泉社発行

PDFはこちら

更新日2018/11/22