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・2016/05/10

運動器検診について −検診までの流れと整形外科医の役割−

JCOA FAX NEWS
一般社団法人日本臨床整形外科学会(平成28年05月10日)第2490号抜粋

日臨整第27号
平成28年5月10日
会員 各位

一般社団法人日本臨床整形外科学会
理事長  田辺 秀樹
スポーツ・学校保健委員会
学校保健運動器検診WG

拝啓 時下益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃より、スポーツ・学校保健委員会及び学校保健運動器検診WGの活動にご協力いただき、まことにありがとうございます。さて、今春から学校保健における運動器検診が開始され、すでに児童・生徒が医療機関を受診しているとの情報を得ています。しかし、始まったばかりで「運動器検診の全体像を良く理解できない」という問い合わせが多数寄せられましたので、詳細を記すことにしました。ご一読下さい。

Q−1)運動器検診は誰が行うのか?

A)
1)現在、学校健診を行っている学校医(内科・小児科医が主体。)が、内科検診や側弯症検診と同時に運動器検診を行う。

2)新たに整形外科医が学校医になって、運動器検診を行うわけではない。

3)一部の市町村では整形外科医が学校健診とは別に運動器検診を行うところもある。

Q−2)運動器検診の流れは?

A)
1)検診項目を示した保健調査票を学校から各家庭に配布する。

2)保護者が、保健調査票にチェックまたは記入する。

3)養護教諭は、保健調査票を回収し、その内容をまとめ、検診の際等に、学校医に報告する。

4)学校医は、すべての児童生徒の側弯症検診を行う。

5)学校医は、健診の際、保健調査票の運動器検診にチェックされた項目があれば重点的に検診する。

6)学校医は運動器検診を行い、要整形外科受診、経過観察、異常なしを判定する。

7)学校医が要整形外科受診と認めた場合、養護教諭は保護者に通知する。

8)通知を受け取った保護者は、整形外科を受診する。

9)整形外科受診後の結果を、学校に連絡する。

Q−3)整形外科医の役割は?

A)
1)運動器検診で、整形外科受診を勧められた児童生徒が来院した場合の対応
1 チェックされた項目を確認する。
2 身長・体重も調べておく。
3 チェックされた項目以外も念のため、診察する。(歩行異常の有無、手・肘・肩関節、腰椎前後屈、股・膝・足関節 等)
4 必要に応じて、レントゲン等の検査を行う。
5 診察の結果、異常なし、要経過観察、リハビリテーション、装具治療などの保存治療、脊椎・肩・肘・膝等専門医への紹介、の判断を行う。

2)診察後の報告
診察結果は、児童生徒、保護者に説明するとともに、報告書等を通じて学校に報告する。

3)診察後の指導等
診察の結果、特記すべき異常が認められない場合であっても、受診勧告の理由の多くは運動不足や身体の柔軟性に欠けることに起因すると推測されるので、ゲームやスマホを控えることや外遊びを奨励し、運動等を指導する。

 

・2015/11/05

JCOAからの提言

JCOA副理事長 新井 貞男

学校保健安全法施行規則の改正に関する文部科学省令により、平成28年4月1日から学校保健における運動器検診が始まることは皆さまご存じのことと思います。この改正に伴い、各県代表を通じて、運動器検診協力医の依頼をJCOA会員各位にお願いしているところです。全容がわかりにくいとの指摘がありますので、日本学校保健会発行の「児童生徒等の運動器検診マニュアル」をもとに概略を説明します。

児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂版より
文科省スポーツ・青少年局学校健康教育課 監修
運動器検診抜粋(千葉県医師会作成)PDFはこちら

全体の流れを説明します。

1.保健調査票を保護者に書いてもらい、養護教諭に提出する。
保健調査票は特別の事情がない限り保護者に書いてもらい、養護教諭や担任等が代わりに書かない。
これは、保健調査票を書くことにより運動器に対する関心を保護者に持ってもらうのも運動器検診の目的の一つだからです。

2.養護教諭は、保健調査票と学校での日常の健康観察等の情報を整理する。

3.養護教諭は、この整理した情報を健康診断の際に学校医に伝え、学校医はそれらの情報も参考にして側弯症検診、運動器検診を行う。

4.学校医の視触診等で運動器の異常が疑われる場合は、整形外科専門医を紹介する。

運動器検診協力医とは、「学校健診で指摘された児童生徒が受診に訪れた場合に、自院で診察していただける」整形外科専門医です。今回、先生にはこの運動器協力医になっていただきたくお願いする次第です。

運動器検診では、オーバーユースによる運動器障害だけでなく、片脚立ちが5秒以上できない・しゃがみ込みができないなど、いわゆる体の固い児童生徒も異常として指摘されてきます。その多くは運動不足によるものと思われますが、運動器疾患が隠れている可能性も考えられます。その診察を地域を守る整形外科専門医であるJCOA会員にお願いする次第です。

運動器検診体制を成功させるには、地域を守るJCOA会員の協力が是非とも必要です。
運動器検診後の診察を引き受けてくれる、整形外科専門医がどこにいるか分らないとの指摘が学校関係者からありますので、まずは、各県代表者にお願いし、協力してくれる会員の名簿を日医に提出することにしました。その名簿を核として、協力して下さる勤務医の先生方も追加して行く予定です。引き受け手がいないと学校健診で異常を指摘された児童生徒は医業類似行為者に流れることになりかねません。以上のことを鑑み、是非ともJCOA会員の協力をお願いいたします。

・2015/11/18

運動器検診が導入された背景・目的・意義

脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無 並びに四肢の状態の検査について
平成27年度都道府県医師会 学校保健担当理事連絡協議会
JCOA副理事長 新井貞男

PDFはこちら

*目的
1)側弯症のチェック
2)運動器過多障害のチェック
・痛みのある子ども:ほとんどがすでに医療機関を受診していると思われ、問題はないと考えます。
・痛みを隠していたり、痛みがなく関節可動域制限のみの子ども:検診でチェックし、すぐに整形外科受診を勧めます。
3)運動しない子どものチェック
運動しない子どもに対し、検診で「体前屈」「片脚立ち5秒」「しゃがみ込み」のチェックをすると、これらができない子どもが、次の①②の二通りに分かれます。両群を検診の段階で判別することは困難です。

①「運動しないために体が固い・バランスが悪い子ども」:いわゆる「子どもロコモ」
②「運動できない子ども」:運動した後で体が痛くなる、だるくなるなどの症状が出るため、運動をしないようにしている。(発育性股関節形成不全、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの疾患が隠れている可能性があります。他の疾患かもしれません。)

通常学校では同じように生活していますので、むしろ両群は一括して抽出される可能性が高いと考えます。林先生は4年間の検診の中で、一つでもできない子ども(体前屈含む)は40%と述べています。(表-1)一方「運動器の10年日本委員会」の運動器検診モデル事業の中間報告では、推定罹患率10%前後と報告しています。(表-2) いずれにしましてもこの子ども達が一斉に整形外科外来を受診しても困ります。そこで検診でチェックされた子どもには、事前に学校現場で体操やストレッチやバランス訓練を充分にやってもらいます。その結果改善されない子どもには「隠れた運動器疾患」を持っている可能性があると考え、そのグループのみを運動器検診協力医に紹介してもらいます。(問題は改善しているかどうかを誰が判断するかです。養護教諭か体育教師か保護者か。そこを今悩んでいるところです。)長島先生案http://sloc.or.jp/?page_id=2915 は学校検診前に「運動器検診マニュアル体操」を充分やっておいてもらう。そうすれば検診時までに①の子ども改善されており、また①②の差が校医にもある程度わかり、整形外科受診をすすめる人が減らせるし、改善の有無の判断を校医にお願いできるのでは、というものです。

(表-1)

(表-2)

更新日2016/05/10

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